大作はいつも小さなひと粒から

エッセイ

今年作った作品で一番大きかったのは、2mを超えるロングベールでした。

年明け前後にご相談をいただき、実際に制作を始めたのは春頃。
50個を超えるお花を作るために、300枚近くの花びらを手刺繍しました。

刺繍の制作は、いつも”根気強さ”と隣り合わせ。
今回もまさにそうでした。

まっさらな刺繍枠を見て胃がひゅんっとなる笑

「私は果たして乗り切れるのだろうか…?
いや、花嫁さまが楽しみに待っていらっしゃる!やる、絶対!」

そんな風に鼓舞しながら針を進めること数ヶ月。

人間だもの、やはりリフレッシュが必要そうと判断したこともあり、
この制作期間中に2泊3日の北海道の旅に出かけることにしました。

今年5才になった息子を飛行機デビューさせていね、と言っていたこともあり、いい機会になりました。

シンプルに息抜きするつもりで行ったのですが、北海道の大自然に教えてもらうことがたくさんあり…

どこまでも続く大自然。

でもよくよく見ると、そのひとつひとつは小さな草花の集まりで出来ています。
当たり前のことを大真面目に言っていますが、意外とこの視点、忘れていませんか?

大海も一滴の水からというフレーズもありますが、
大自然も動物も人も、全て小さな粒が集まってできている。

「あーなんかすっごく当たり前のことを忘れてたな」と広い平原をぼーっと眺めながら気付かされました。

そりゃぁ、時間かかるよね!と。笑

その効果かどうか、今となっては分かりませんが、
北海道から帰ってきてからの私は俄然張り切っていました。単純なんです、はい。

刺繍の花びらを糸で小さく刺し進めていくと、やがて1枚の花びらになり、
1枚の花びらが集まると1つのお花になり、お花が集まると花畑のようなベールが出来てきました。

そこに葉の形をしたレースをちりばめ(これもひと針ひと針縫い付け、ビーズをつけました)
花と花、花と葉を繋ぐ茎を刺繍しました。

すると…
あんなに遠くに感じていた2mのロングベールが、50個のお花を散りばめた刺繍ベールが…

”できた!”

veil:MellowSyringa

え、可愛すぎませんか?と心の中で自画自賛しつつ、恐る恐る花嫁様にお写真を送ると
とっても喜んでくださいました。(ほっ)

ぜひこれを読んでくださるあなたにも、身の回りのものに目を向けて欲しいのです。

何気なくそこにある”それ”は、誰かが一生懸命かき集めた”粒”の結晶かもしれません。

そう思うと、いろんなものが”ちょっと特別”に見えてきませんか?

今日はそんなお話でした。
最後までご覧いただきありがとうございます♩

追伸:このロングベールの制作と、北海道の旅もちょろっとまとめた動画をYouTubeにUPしています。
15分尺のそれなりに長めの動画なので、ちょっとひと息のお供になれれば幸いです。

また、このベールは私の運営するウェディングのレンタルアトリエ”PageBlanche”でレンタルいただけます。

もし結婚式準備中の花嫁さまがいらっしゃいましたら、サイトに遊びにいらしてくださいね♩
“Mellow Syringa”という名前のベールです。▶︎こちら◀︎

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